OpenFOAM の概要2016年3月15日 | |
はじめにOpenFOAM の概要について。 使用バージョンOpenFOAM 2.4.0/3.0.1 OpenFOAM マップ![]() 計算の手順計算の手順を下図に示す。 ![]() 解析対象の条件が固まったら、ふつうはまずメッシュの作成から取りかかる。メッシュは、商用メッシャー (商用ソルバー付属のものや、各商用ソルバーに対応したメッシュ作成専用ソフトなど) があれば、それで作ったメッシュを OpenFOAM 用に変換するのが手っ取り早い。商用メッシャーがなければ、OpenFOAM 付属のもの (blockMesh、snappyHexMesh など) を利用するか、オープンソースのメッシュ作成ソフト (Salome など) を利用する (下図。詳しくは OpenFOAM 用メッシュの作成 を参照)。 ![]() 最後の結果の評価には、OpenFOAM 付属の paraFoam (ParaView) を用いる (ParaView の使い方については ParaView 入門 を参照)。商用のポスト処理ソフトを使ってもよい。 計算条件の設定計算条件の設定の手順を下図に示す。 ![]() ソルバーの選択OpenFOAM は流体解析ソルバーではなく、流体解析ソルバー開発用ツールであるが、標準ソルバーが備わっている。一般的な流体解析ソルバーと異なり、ひとつのソルバーにおいて解きたい問題に合わせてオプションを選択するのではなく、問題ごとにソルバーが分かれているため、まずは解きたい問題に合ったソルバーを選択する必要がある (もし適当なものがなければ開発する必要がある)。 標準ソルバーのコードは $FOAM_SOLVERS にある。ソルバーはカテゴリごとに分けてあり、そのカテゴリに応じたディレクトリに入っている。 主なソルバーは以下の通り。 basic : 基本
incompressible : 非圧縮性流体
heatTransfer : 熱流動
multiphase : 混相流
標準ソルバーのより詳細なリストについては ユーザーガイド を参照。 下図に、よく利用されるソルバーについての選択手順を示す。 ![]() ケースの設定計算条件の設定 (ケース) は、1 つのファイルではなく、1 つのディレクトリになっており、その中にいくつかのファイルが含まれる形になっている。これらのファイルをエディタで編集して設定を行う。必要なファイルをすべて自分で用意するのは大変だが、標準ソルバーに対応したケース例 (チュートリアルケース) が $FOAM_TUTORIALS に含まれているので、ふつうはそれをコピーするなり参考にするなりして、ケースを作成する。 ケースディレクトリには以下のようなファイル、ディレクトリが含まれる。 constantメッシュや物性値、乱流モデルなどの設定が含まれるディレクトリ。以下のようなファイル、ディレクトリを含む。
0フィールド (場) の変数の設定ファイル (たとえば、速度 U、圧力 p、温度 T など) が含まれるディレクトリ。フィールドファイルにおいて境界条件や初期値の設定を行う。0 は初期時刻の意味で、計算中、同様の形式の計算結果ファイルを含むディレクトリが各出力時刻の名前で作成される。 system計算の制御の設定ファイルなどが含まれるディレクトリ。以下のようなファイルを含む。
設定ファイルの書式については 設定ファイルの書式 を参照。 計算条件の設定の詳細については、以下を参照。 計算の実行計算の実行するには、ケースディレクトリ内でソルバーを実行すればよい。たとえば、simpleFoam をソルバーとして用いる場合は、端末でケースディレクトリに移動し、以下のようにコマンドを打ち込む。 $ simpleFoam 詳細については ソルバーの実行 を参照。 | |
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